大陸麻雀のプレイヤーと対戦するとき

雀魂などでアジア諸国のプレイヤーだなと思わせる漢字ネームのプレイヤーと当たることは多い。(あるいは「放浪雀士」は日本だと表記がない漢字ネームだったりする)

そうするとやたらと鳴きを多用されたり、安手でゼンツされたりして場がメチャクチャになり「やりにくいなぁ…」と感じることだろう。

実際にこういったプレイスタイルを苦手だとする声は身近にもある。だが、彼ら大陸のプレイヤーが行う麻雀はそもそも現在われわれが打っている麻雀とは基本が違うのだ。その点を理解して対峙することで対策になったり、ストレスの緩和に役立ったりする。

 

元来、麻雀は中国など大陸文化から生まれた卓上遊戯である。それが日本に輸入されて様々なルール改変が行われて、現在のいわゆる「リーチ麻雀」が誕生したのである。

現在では世界的に「麻雀」といえば、この日本式の「リーチ麻雀」を意味するまでになった。アメリカやヨーロッパにも広く普及し、緑一色や七対子アメリカ発祥の役だといわれている。

 

ネット麻雀でもアプリでも普及しているのは「リーチ麻雀」だろう。

逆に「リーチ麻雀以外の麻雀って何?」と思う人のほうが多いかもしれない。それが元来の「大陸式麻雀(香港麻雀)」であるのだが、あまりメジャーでなくなったため、日本やアメリカやヨーロッパで見ることはほとんどない。

現在ではアジア諸国でローカルに行われている。

 

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牌が日本よりも大きく、河を個人で分けることは無く中央にバラバラと捨てていく。

特徴的なのは点数計算の方式で、誰かのロン上がりがあったときもツモと同じように全員で分割して払う。そのため、基本的にゼンツしやすい構成になっている。

リーチ麻雀で考えたら「なんで振り込んだ奴の点数を俺が払わなきゃいけないんだ」と思うことだろう。ここがまず違う点になる。

 

リーチ麻雀も香港麻雀も基本は点数移動が勝敗に関わるが、香港麻雀はアガりに向かう傾向がとても強い。ルール構成がそうなっており、基本的に全員が聴牌を目指してゼンツする。

フリテンが無いなど、とにかく手牌を形作ってアガりに向かうだけのゲーム構成になっている。オリたり、巡目をズラしたり、ドラ、リーチなども無い。

基本的に「手役」が重要になる構成となっている。

 

大陸プレイヤーが役牌に固執するのは、この名残りと思われる。

白発中をずっと抱えて、重なったら即ポン。そこから手なりで考えて、リーチが来てもゼンツ、1000点のノミ手をアガる。

何となく覚えのある展開ではないだろうか。雀傑あたりまでの大陸プレイヤーはこういった打ち方が多い。しかし、上述してきたように香港麻雀がそういった構成になっているため、身に付いた打ち方なのだろう。

リーチ麻雀と彼らが打ってきた香港麻雀は別物なのだ。(文化が違う)

 

・香港麻雀でリーチ麻雀に通用するのか

まぁ通用しない。

やれて雀傑、運良く雀豪にはなれても玉の間では通用せずに落ちていくレベルだろう。実際に上級卓でも大陸プレイヤーを見ることはあるが、彼らはリーチ麻雀に対応した打ち手であり、香港麻雀の打ち方をスタイルとしているわけではない。

 

香港麻雀は基本的にゼンツで駆け引きや押し引きは重要ではない。リーチ麻雀においてゼンツのプレイヤー、しかも打点の押し引き概念もない者ではやっていけない。それは大陸麻雀スタイルに限らずだ。

ゼンツがそもそもリーチ麻雀の上位では通用しないのである。中級者以上は「オリ」で差がついてくる。オリたほうが明確に得になってくるのだ。逆にゼンツは損が増えていく。(運次第では短期的に上向くこともあるが…)

 

・大陸麻雀のプレイヤーの対策

ポンポン鳴かれてロン、安手ばかりと舐めてかかったら配牌ドラ3の役のみ高打点を決めてくる…などなどイライラ展開である。サンマは特にこういった展開があるが、ドラだけで打点がアガりやすいので「また役牌バックの1000点だろ」と舐めてかかるのは事故に繋がりやすい。

麻雀の運要素がここにも強く現れている。結局は実力よりもツモと配牌なのだ。

 

つまるところ大陸プレイヤーは「運頼り」の傾向が強い。そして「役牌はまず間違いなく鳴く」ということ。あるいは「チャンタ」など手役となる場合も鳴きを多用する。

リーチ麻雀に慣れたものでこれらを初手から鳴くには和了に向かう以外の条件が必要だろう。例えばチャンタ雀頭の9pがドラであるとか、暗刻の役牌がダブ東であるとか。

 

だが大陸プレイヤーは1000点から端の789mをチーしてきたりする。もし自分の下家がそうなったらあとは牌を絞っていれば自滅しやすい。もちろん自分の手が良ければ気にせずに打っていいが、そうでないのなら適当に絞っていれば他家からリーチが入って、下家はゼンツして勝手に点数を減らしてくれる。ラス回避麻雀においてはむしろカモだ。

 

だが、絞っていても勝手にツモで聴牌してドラ3マンガンをアガることもある。そこのところは結局は運だ。だが彼らがやっているこの運ゲーに付き合っていたら勝率は安定しない。とにかく彼らは「放銃しやすい」ので、そのシチュエーションを期待するのが有効だと思っている。

4万点もちのトップなのにラス目のリーチに追いかける(しかもこっちがドラ赤を占有しているのに何で打つんだというレベル)。6万点から放銃し続けてラスまで落ちる。などなど、リーチ麻雀やネトマのラス回避麻雀で考えたら有り得ない行動を取る。

 

だが、それら意味不明なゼンツ押しも香港麻雀の下地を思えば納得なのだ。

「ロンされても分割払い」「細かい駆け引きや押し引きは存在しない」、こういった大味感が香港麻雀の下地なのだ。

しかしこれがリーチ麻雀に紛れてくると場が乱れるのも事実だ。

 

私は過去に格闘ゲームのプレイヤーでもあったが、いわゆるガチャプレイ(暴れるだけのプレイスタイル)は実際にやられると面倒ではある。一発でも被弾したらそこからコンボを繋げられたり、判定が強いだけの牽制を振り回されるだけだったり。

ともかくこういった相手に対して自分も同じガチャプレイをしていては勝てないのである。基本に忠実で確実な手段を繰り返すことが勝利に繋がりやすい。

 

こういったプレイヤーの弱いところは「選択肢が無い」というところである。要は覚えた範囲で同じことしかできないのである。なので、「それよりも判定の強い技で返す」「パターンを読んで隙をつく」といったことでカウンターを取れるようになると相手は戦意喪失する。

大陸麻雀のプレイヤーも「鳴いて役を作る」というメイン戦法が失われるとメチャクチャに弱い。あるいはそれを逆手に取って追い込むと簡単に自滅する。

 

リーチ麻雀に慣れた者は手役を封じられたくらいでは何とも思わない。役が無くてもドラがあればリーチすればいいし、逆にリーチできなければ鳴いて役を付けに行く。自分がアガれそうにないなら他家の横移動に期待する。親被りしやすいようにリーチ後にカンしてやるなど、選択肢は多様にある。

大陸麻雀のプレイヤーは基本的にこういった行動は選択肢にない。運だけで勝っているときは良いが、追い込まれると途端にゼンツだけになって簡単にやられてくれるのである。

 

もし運だけの展開で負けても麻雀がそもそも運ゲーだということを思い出しておこう。