損切りとかの話

なんか巷でマンガの「つまらない映画を最後まで見るか」みたいなエピソードが話題になっていて。

簡単に解説すると映画館でクソ映画を掴んでしまって、これ以上見ても時間の無駄ってくらいにつまらないので出て行ったほうがマシだという流れ。

でもそこで席を立つのはどうなんだ、という話。

 

マンガでは「興味が持てないなら見続けても時間の無駄だし、最後まで見ても別に払ったお金が返ってくるわけでもない」という観点から、「じゃあサッサと劇場を出て別のことをしたほうが時間の無駄にならない」という流れになっている。

ただ、映画館や鑑賞のマナーでいえば「最後まで見てやれよ・・・」という倫理的な意見もありつつ、合理性でいえば「見ても無駄なものは無駄」と漫画ではバッサリ切り捨てている。

まぁフィクションなので大袈裟に言い切っている面もあるとして、SNSなどではこれに対して「お金を払ったんだから最後まで見ないと勿体ない」という意見が少なくないのが気になるところだ。

 

このブログでも度々、例として取り上げているが「これだけやったんだから続けないと損してしまう」と思うのは、すでに冷静な判断力を欠いている状態だと言っていい。やめるに止めらない状況というのはすでに平静ではないのだ。

麻雀でもロジカルに「これは追っても損だな」「勝負しても自分が不利になるだけだな」という状況でも、「でも役満だし押したいな」とか「ずっとアガってないからチャンス手を崩したくない・・・!」と無理して放銃に回ってしまうことは少なくない。

これがいわゆるポーカーでいう「ティルト(冷静・合理的ではない状態)」だろう。

 

逆に攻め手でも「いやぁ、ここで満貫放銃してもラス落ちは無いんだし押していいでしょ」「この1pが当たる確率ほとんどないんだから勝負」といった判断ができるかどうかが分かれ目になることもある。

今回このSNS上の反応を見て、思った以上にほとんどの人は「ギャンブル慣れしていない」のだなと思った。

まぁ普通に生活していれば地道に積み上げていくことのほうが多いだろうし、無理に不確定要素の高いものに手を出すこともないと思っていることだろう。

 

ただ実際には実生活においても我々は常に不確定要素の高い選択を迫られているのだが、それに気づいていなかったり自覚していないだけのこともある。

人付き合いにしても「何年も付き合ったんだから結婚しないと勿体ない」なんて考えたら危険かもしれない。

麻雀の押し引きで言ったら「付き合った数年よりも、結婚後の何十年も過ごす時間のほうが長い」「一旦、結婚して離婚してからやり直すのと、いま何事もないまま別れるのとどちらがよいか」といったことを考えると、「よくわからんけど結婚すれば何とかなるだろう」はかなり危険なギャンブルだとわかる。

 

どれだけ詰めても未来はギャンブルなのだ。良いパートナーを見つけたと思って結婚生活を始めても上手くいかない可能性もある。(逆に結婚後にたまたま上手く収まるパターンもあるだろう)

麻雀をやっている我々にはよぉ~~くわかることだろう。これ以上ない正解を選んでもハズれるときはハズれるのだ。かと思えばハズれを選んだと思ったのがラッキー自摸になったり・・・。

だからといって確率の低いほうを常に選んでいたら負けが込む。外れても正解を選び続けるのがギャンブル・・・どれを選んでも常にギャンブル。

 

ギャンブルっていうのは、そういうもの・・・。