脱・麻雀中級者のためにやること

麻雀上級者とはぶっちゃけて言えば一般的な意味での「麻雀を楽しむ」という行為を捨てている。

そうは言っても「いや、別に麻雀おもしろいけど?w」と嘲笑されるのは目に浮かぶのだが、上級者のこの言葉を真に受けてはいけない。住んでいる階層が違うのだ。

アパートの二階から「景色が良いなあ」と言っているのと、スカイツリーの頂上から「景色が良いなあ」と言うのでは場所も違えば、見えている景色も別物なのだ。

 

それを真に受けて「麻雀おもしろいよ」を素直に同じ「面白い」だと思ってはいけない。

世間一般でいうところの「麻雀の面白いところ」を切り捨てている面もあると認識しておこう。

そして自分が脱・中級者を目指すのであれば、それらを意識的にやめなければならない。これは相当なストレスになるし、それで「麻雀おもしろくね~、クソ」となるのであれば、常々言っているようにそういった打ち方を続ける必要もない。

 

和了を目指す

まずはアガりを目指さないことだ。

「リーチしたり鳴いたりして聴牌して得点を稼ぐのが楽しい!」という貴方。まずはアガるのを諦めて下さい。それが放銃に繋がって負けになります。弱さです。

聴牌していようが高打点だろうが、危険牌を掴んだらまずはオリです。

 

もちろん状況によっては全ツッパでいいこともあります。黙ってオリていてもラスのときとかね。

それ以外はアガれる手が入っていてもオリです。先にアガって回避できるなら幸運ですが、「いや、この牌通るかわかんねーな・・・」「だいぶ危ないところ掴まされたな・・・」はオリです。

「このぐらい押しちゃえー!」は甘えです。まぁ、それが必要なのも麻雀ではあるし、逆に上級者になればこそ押す一手というのもありますが、まずは冷静にオリたり、回したり出来るようになってからの話です。

 

麻雀はアガるを目指すゲームなのに止めろだなんてどうかしてる、と思うかもしれませんがそういうものです。

だからこそ麻雀が強い人ほど「強者は押し引きが巧い」と言うのです。

「アガって点数を稼げる人が強い」という言い方はしません。「押し引きが強い」とは言い換えれば「アガれる手が入っていても、引くべき時は引ける人」というニュアンスを含みます。(他にもいろいろ含む言葉である)

 

これが出来ずに「マージャンたのしー、りーちぃ~」とやっているようじゃ駄目だということです。

まぁ、何度も言うようにそれでいいんですけどね。自分が楽しければ。

 

 

・打点を見る

アガりやすさを捨てて高打点を見ることをやめましょう。例え役満聴牌したとしても、32000点が必要な場面でなければ「アガりやすい待ち」を選択しましょう。

「リャンメン待ちにすれば枚数は多いけど、シャボにすれば四暗刻なんだよなぁ~」というところでシャボ待ちにする人は多いでしょうが、選択的にはリャンメンです。リーチ三暗刻で十分です。

でも出来ないですよね、役満見ちゃいますよね。まぁ、それが正解なことも多いですが。

 

他にもホンイツなどで「小三元が付くから白の単騎にしよう」といったもの。こんなもの上級卓では誰も切りません。運よく自分が自摸らない限りはアガれません。

そして「誰も切らない」からこそツモ率の上がる枚数の多さが必要になるのです。

狭いほうに取っていたら損をする一方になります。

 

・手作りをする

これも上記と同じで無駄に凝った手役付けを頑張っていると勝てなくなります。

アガって点数を稼ぐ、という行為はシンプルに捉えれば「アガれれば何でもいい」のです。リーチドラ3でもいいし、鳴いて役2ホンイツでもいい。

ちゃんとメンタンピンにしたり、三色や一通を頑張ったり、そんなこと無理にしなくていいのです。

 

満貫や跳満になるなら何でもいい。

 

・鳴く

東風戦はともかく、上級卓の半荘戦で序盤に役牌をポンするのはあまりよくありません。

初心者の頃は「役牌を鳴けばとりあえず役ができるから」と教わりますが、上級卓では「役牌2枚なら安全牌として使う」という方法も出てきます。

それをポンして消費してしまうと守備力が落ちるというわけです。

 

何故そこまでするかというと、それほどまでに上級卓というのは「オリることのほうが圧倒的に多い」のです。

10局中、8局はオリます。アガリに向かいません。冒頭で「アガりに向かうな」と強調したのもこのためです。アガりに向かうと放銃するだけになります。

麻雀は「オリるゲーム」だという認識も強く持ちましょう。(つまんねーぞ)

 

・リーチ

オリを基準にすると迂闊にリーチは打てなくなります。東場の先制ドラ1リーチならガンガン攻めてもいいですが、中盤をすぎるとナイーブになります。

後半になったら「放銃した人がラス」になります。

そう考えるとリーチをして守備に回れないのは不利になりやすいです。特に自分が得点でも勝っているのなら余計にリーチを打ってまで稼ぎに行く必要はありません。

 

負けている相手はこちらがリーチしようと何をしようと攻めてきます。場況はありますが大体が無視して全ツッパしてきます。そこで事故ったら余計なことです。

それぐらいなら冒頭に言ったように高打点だろうとなんだろうとオリたほうが得です。

その結果、二着になってしまったとしてもネトマのラス回避麻雀では正解になります。(このへんがフリーのチップ制とはバランスが違う)

 

南場までに3~4万点稼いだらあとは静観してオリたり、安全を優先して無難に局消化を計るのがベストです。

「このぐらい勝負するか~」とかやっていたら、いつまでも勝てません。

プロの配信者はこういったことを言いますが、彼らの言う「このぐらい」はメチャクチャ読みがある前提です。読み切ったうえで「このぐらいなら勝負するか」という台詞です。

 

「よくわかんないけど一枚くらい押すか~」では勝ち切るのは難しいです。

(スジとか数えて攻めることもあるけども、それも結局は読みありき)

 

 

・頑張る

牌を順子から抜いてオリたりを嫌がって「通ってないけどスジだから順子を崩さないコッチを切るか」なんてやっていたら放銃が増えます。

これもケースバイケースですが、初中級者のそれはやる必要がない場面であることが多いです。

自分がトップのとき、相手がラス目のリーチ、あと二周で流局のとき、などなど。

 

無理する必要がない場面で手を崩すのを嫌がって「ちょっと危険な牌」を選んでしまう。余計な放銃が増える原因です。

終わるとなったらさっさと諦めてオリましょう。牌も抜きましょう。形を崩さないことよりも、他家への安全度を優先して牌を選びましょう。

逆に「後々の安全のためにいまちょっと危険な牌を切って放銃」ということもあります。

 

たしかヨーテルさんが脱中級者の講座動画で「難しいことや小技を覚えた人よりも、こんなのアガれねー、オリー。って人のほうが強いこともあります」といった旨を言っています。

渋川流の「メリハリ打法」もその一つです。渡辺太の「とりあえず高打点を見る」というのも「オリを前提にした打ち方」と言っていいでしょう。(ネット麻雀においては)

「高打点でいけそうなら勝負するけど、それ以外でダメだったらオリ」という価値観を持てなければ、いつまでも手作りしようとして終盤に危険牌をバシバシ切ることになります。

 

・重要なこと

ここまで我慢して麻雀をやって、結果は運ゲーです。そのことを忘れてはいけません。