麻雀において勝率の上下というのは運の振れ幅で決定されているだけで、実力が変わったことで勝てなくなったということはない。
ある日、突然に連勝できるようになったとしても、それはたまたまであって、急に強くなったわけでもないし、連敗が続いたとしても、弱体化したわけでもなく偶然でしかない。
もちろん打つ場所、ルール、対戦相手によって状況が変化することはある。だが基本的に打ちなれた場であれば突然に強くなったり弱くなったりすることはない。そのため勝率の変化というのは自分には関係のないことが多い。
(もし影響があるなら体調が一番かな……)
・段位戦で「勝てなくなった」という相談
「上の卓(ランク)に行ったら勝てなくなった」という話をよく聞く。
まぁ、よくある話だろう。上位卓に行ったら強豪が多いので勝てなくなった、というものだ。麻雀において、これを「相手が強いから自分では勝てないんだ」と思うのは誤りである。
いつも言っているように運ゲーが基本の麻雀において実力差など大して影響しない。
正しくは「相手が強いので勝率が減った」だけなのだ。
そう、別にアナタは弱くなったわけではない(ただし相手が強くなったのは確かだ、しかし)。
だから負けているのではない。
「勝ちを拾いにくくなっている」だけなのだ。
下位卓では10回やったら8回は勝てていたとしよう。
上位卓では10回やったら4回がせいぜいだとする。
まず下位の卓で勝ち越せる理由は「あなたが強いから」ではなく、「周りが弱いから」と断言できる。まぁ、相対的に言えばどっちも同じなのだが、厳密には「相手がミスを多くしてくれるから、自分の勝ちが多くなっている」のである。
上位卓に行くとみんなミスをしない。純粋な1/4の運ゲーを繰り返すことになる。
そうなれば下位の卓に比べて勝率が落ちるのは当たり前である。
「自分の実力が足りないから勝てない」のではなく、「ボーナスゲームを拾いにくくなった」という競争率の話なのだ。
「ここまでダッシュ出来た人だけクジ引きに参加できまーす!」と言われて、下位の卓ではそもそも辿り着ける人が少なかったので、結果として勝率もよかった。
上位の卓ではみんながこぞってクジ引きに押し寄せるようになる。自分一人だけというわけにはいかない。
クジで抽選結果を受けられる効率が悪くなっている。その結果、勝率が落ちるのだ。
「クジ引きで勝つか負けるか」は運ゲーである。参加できるようにさえなっていれば、あとは別に実力が及ぶことはない。
参加できるようにすることが大事なのである。
(でも押し引きはちゃんとしようね)
・確率の壁を突破するには
ではこれまで勝率8/10だったゲームが、勝率4/10になったときに勝ち越せるようにするためにはどうすればいいのか?
単純に抽選回数を増やすしかない。
これまで100半荘して1000ポイント稼いでいたとしよう。その効率が落ちたのであれば、200半荘で1000ポイント稼ぐゲームに変化したというだけである。
実際にそうである。
加えて上記のように卓内における1/4運ゲーが極まって勝ちを拾いにくくなっている。
効率が悪くなったことを「勝てなくなった」「実力が足りないのかな?」と錯覚するのである。
「いや、だから実際に勝ててないやん」というツッコミはあるだろう。
それは実力の話ではなく、より純粋な運ゲーに近づいただけなのだ、という話である。つまり「勝てなくなったのは自分のせいだ、何かやらなきゃ」ということではないのだ。
実際に勉強をしたり検討をしたりは必要だが、「必要以上に悩まなくていい」ということである。
勝てないのは自分のせいではない。勝率が落ちたのは自分が弱いからではない。
実力伯仲でより運任せになって効率が落ちているだけなのだ。これまで順調に勝ち越せていたのは運ゲー以前のところで実力差がありすぎる恩恵だったのだ。
この違いを解ってもらいたい。
・麻雀超人は存在するか?
「麻雀が超強い人で、誰とやっても100戦やって100戦は勝てるよ」という人類は存在しない。プロでさえ、そこそこの中級者に負ける。
麻雀とはある程度からは実力よりも運のゲームになっていくのだ。
だから「超人」は存在しない。
ゲーム内の段位やランキングで上位にいるプレイヤーが神がかって見えたとして、実はそれは強さよりも「他人よりも数多く麻雀を打っている」ことが条件だったりする。
まぁそれだけ集中できるのを強さと言えばそうだが。
ところでこのトピックを書いていて思ったが、「俺は勝つのが好きなんだよ!!」という人が上位卓はつまらないと感じるのは当然である。
単純に実力で勝ちにくくなって運ゲーが加速しているだけなのだから。
(でもフレイザードは「博打は痛い目みるからおもしれぇんだよ」とも言ってたな…)