麻雀マナー動画とネット麻雀の関係

雀荘などでのマナーをプロが配信で話題にする機会は多い。ライト層や麻雀は打つけど雀荘には行ったことがない面子には馴染みのない麻雀マナー。

そもそも一般的な麻雀打ちのほとんどにとってマナーなんて気にする機会はないだろう。私も仲間内でリアル麻雀を覚えた部類だ。先ヅモや先切りくらいは気を付けていたが、小手返しであるとか、ツモ切りと手出しの区別をつけるといったことは気にしていなかった。

これは麻雀を打つ面子によっても変化するだろうが、プロのような指導者でもいない限りはマナーを知らないことも多々あるだろう。

 

実際に麻雀を打つにあたってマナーは実力や内容とは関係がない。ルールを把握していればゲーム進行には問題がないわけだ。

さらに点数計算だって何なら自分でやる必要がない。仲間内で覚えている者がいると任せっきりになることもしばしばだ。

あとは内輪で「これはやるなよ」といったローカルルールやローカルマナーが広まっていく。(自分のところでは南場は流局で親流れ無しというルールがあった)

 

・マナーとネット麻雀

ここ最近、勢いを持っているのはネット麻雀だろう。天鳳もブームになったが、雀魂が新たなブームを巻き起こしている。プロ配信やVtuberなどの絡みもあるだろうが、ともかくネット麻雀の人口が増えている。

だがネット麻雀にありがちなのは「点数計算ができない」「リアル麻雀は打ったことがない」といった点だ。後者についてマナーの部分が含まれるだろう。

 

手積みではないにしても開始時に「牌山をこう動かす」「ここから配牌を持ってくる」という基本的な動作さえ、ネット麻雀から入った人にとっては不明な可能性もある。

こうなると「初心者じゃないか」となるが、打つ内容に関してはプロ級というギャップも生まれるだろう。

漫画「ヒカルの碁」でもそのようなシーンは演出されていた。(後ろにいる幽霊が指示して打っている設定。主人公は囲碁の初心者で手つきが不慣れだったが、打っている内容でプロが負かされた)

 

ゲームとしての麻雀と、コミュケーションツールとしての麻雀は別とでもいうか。それは何事においても結局は人と関わるものは他者への配慮が必要になる。ネット上だとそれは稀薄な点もある。

スタンプ煽りや溜めロンをするなというネット独特なものは解るが、実際の卓のマナーは身につかない。

私もこの点に関してはネット麻雀寄りなので多くは言えない立場だが…。

 

・麻雀動画でもマナー系はマイナー人気か

園田賢は後進のプロ志望者に向けて卓上の所作について講座の動画を出している。見るとこれがなかなか為になるのだが・・・。しかし、ネット麻雀でこれを求める人というのは人口比率でいえばかなり少ないだろう。

ネット麻雀でルールを覚えて、Mリーグなどを見て実際に牌を触って麻雀を打ちたくなった。雀荘にセットやフリーで入っていけるだろうか…という人はチェックしておきたくなる講座だ。

だがネット麻雀を打つ多く人が知りたいのは「どうやったら打点を上げられるか」であるとか「振り込まないための立ち回りはどうするのか」といったことであり、「牌をどう切るか」や「積み棒はどう置くか」というのを知りたいとは思わない。

 

結局のところ、全体の比率でいえばマイナー人気となってしまうのが卓上でのマナー講座かなと思う。

だからこそ積極的に動画を作って再生数を稼ごうとするプロも出てこないだろうし、逆に今それらの取り組みを行っているプロ達はありがたい存在であると思う。

 

VtuberにしてもVR空間にでも移行しない限りは「おまえ、その牌の切り方はマナー違反だぞ!」みたいなやりとりは生じないわけで。

まだ数年はマナー動画はマイナーなままかなと思ったのであった。