点数を取れるときに取らないと勝てない話

Mリーガーとプロ野球選手での麻雀交流会がAbemaTVで年始に開催されたのですが、まぁ野球選手のほうは手順や押し引きに不味い点が多かったものの、それでも結果としてはプロ達を相手に互角以上の戦いを見せた催し。

 

手順的に選手たちが間違った打牌をしても、それでも終始有利になって勝ってしまう程度には運ゲーなのが麻雀。プロ雀士たちが手も足も出ず、接待として受けに回って卓上から気配を消す始末。

しかし、まぁ土田プロにしてもそういった展開には慣れたもので「じゃあここで誰に華を持たせなければならないか」というのをエンタメとしてよく解っている。

河野プロなんかは、そのうえで3sのオリ打ち(オリに備えて先打ちのつもりが放銃になった)というのもあった。

 

運でプロ達を圧倒した野球選手達だが、その中でも予選卓で敗退してしまった選手もいる。

麻雀も野球も「点が取れるシチュエーション」というのは、ゲーム中でそう何度も巡ってくるものではない。「スポーツも結局は運ゲーだ」という人がいるが、確かにすべてが実力次第というわけでもない。

特に団体競技はそうだ。

野球でいえばセ・リーグならばピッチャーを含む下位打線のときはまず得点は期待できない。そもそもピッチャーは早い回であれば打席に立っても、バットを振らずに3球見て終わるだけのことが多い。体力温存や怪我を避けるためだ。

 

となると、上位打線から5.6番あたりまででチャンスメイクして点を取ることが多くなる。麻雀でいえばチャンス手が入ったときだ。

「ここで点が取れないと厳しい」というシチュエーションが巡ってくる。チャンスでもあるが、ここを凌がれると一転ピンチになってしまう。

スポーツはゲーム全体でいえば、こういったときに点が取れないと得てして苦しい展開に追い込まれがちである。だが、団体競技では毎回狙って得点チャンスをメイキングできるわけでもない。

 

2~3人が続けてヒットを打つなど、打率2~3割が連続して塁に出ることが条件になるのだ。こうなると結構なギャンブルであり、確率ゲーの面も持っていることが解る。

だからこそ、チャンスが巡ってきたときに確実に点にする力が無いチームは負けが込んでいくのである。

野球選手たちの拙い麻雀を見ていても思った。

明らかにチャンス手であり、逆転を狙える打点がある。そこで押し切らないと「そんなチャンスは毎回くるわけではない」のだ。

 

そういった勝負所で正確な打牌ができなかったり、ロスがあって得点のチャンスを逃すことがあった。やはりそういった場合には勝ちには繋がらないのだ。

本業の野球のほうであればそういった手順や押し引きのバランスを間違えることはないだろう。しかし、人間ミスはするものである。

こういったことがあると試合に負けるのだな、と麻雀でありながら野球の試合でも起き得ることが卓上にあった。

 

実際にこういった勝負ごとに強い人物は試合での勝負勘も良いという。

「こんなチャンスはそうそう来ない。ここでものにしないと負けてしまう」という押しの強さがあるのだろう。また「ここで無理をしても不利になる」と引く判断もできるのであれば、それは麻雀でも強さになる。

以前にも押し引きとは麻雀に限ったものではなく、勝負ごと全般にある概念であり、強さだと書いた。

 

Mリーグを見ているという野球選手も少なくなかった。麻雀が押し引きや勝負勘というものを学ぶ良い機会になるかもしれない。
あとスポーツのほうが麻雀よりも運次第という展開にはなりにくいため、練習などにも取り組みやすいだろう・・・。
練習すれば良い投球や打撃ができるようになるのだ。麻雀はいくらツモの練習をしたところで配牌が良くなるわけでもない。運の確率を上げる練習など麻雀には皆無なのだ。