ビーストジャパンの初シーズンが厳しい話

チーム時事情は知らないので野次馬が好き勝手言っているだけの記事になるが、ビーストジャパンの初年度は厳しい展開になっている。

全選手がMリーグ初舞台であれば、打牌選択からバランス調整まで上手くいかないことはあるだろう。入れ替えで入った新人選手で戸惑いなく成績を残している人も少ない。

 

もちろん麻雀であるから多少は運の上下があるものの、前年度の雷電のように著しくポイントを減らすのであれば、何らかの要因もあるのかと疑いたくもなる。

現時点でビーストで成績を残しているのは菅原だけといえるだろうが、それでもマイナス域である。

大介はトップラスの浮き沈みが激しいため戦績は安定していない。中田と猿川の両名はMリーグでのバランス調整に欠いている様子がある。

大介は打点を追っての決め打ちもあるため、ハマれば強いのだが大味な印象も受ける。もう少し丁寧に打ち回していれば避けられた失点や得られた得点を逃していることも多い。今のところまだ運良くたまたまツモり直したりして持ち直しているが、それはただ運が良いだけと言われても仕方がない。

中田は守備的ゆえか得点のチャンスに恵まれながらも、それを逃してしまっていることが多い。本人がそれに自覚的であればよいのだが気づいていない場合は今後も同じことが続く可能性は高い。

例えばちょうど先日、仲林がラス確定のアガりをオーラスにしたのだが「トータル最下位のビーストさんがトップならOKだし、これ以上続いて自分が素点を減らすよりはチームポイント的には良いかな考えた」とインタビューで答えていた。

仲林は前半の試合でトップを取っての連投。Mリーグルールであれば1トップ1ラスは微プラスだ。下手に素点を減らして一回目のトップが無くなるほどにしてしまっては意味が無い。ラスを確定させても素点を回復して終わることは選択的なことだったのだ。

その半荘の中でも高宮に放銃をする打牌も「あそこで完全に置いていかれたらもう自分が追いつくのは無理なので、トップを取るならと押しました」と語っていた。

それで放銃になって南4をラス目で迎えることも織り込み済みだったのだ。
果たして中田がトップを取り逃した幾度もの打牌で、ここまでの意図をもってやっていたのかは疑問が残る。

 

猿川はマイナスが大きいが決して麻雀が弱かったり、打牌を間違えたりするレベルの選手ではない。むしろ今季のMリーグでの活躍に限っては「だからこそ放銃する」と言っても過言ではないシチュエーションに苛まれている。

「この牌なら当たらないだろう」「この手牌でオリることはない」そういった場面で「そんなことあるのか」といった放銃や負けが続いた。

ただ、その中でも風林火山留美を相手に打った発の一打。猿川は満貫テンパイだったと思う。留美が終盤にホンイツの手牌を回しながらテンパイすると、その瞬間に猿川が掴んだのが当たり牌の発。

 

猿川はこれを止めることなく切って留美に放銃した。

後に松ヶ瀬はこの打牌について「あんなんもう発当たるじゃん、切らないよね」と言っていた。ここのところがチーム戦であり、Mリーグのバランスなのかと思うところがある。

大介にしても猿川にしても自分がチャンス手のときにオリることがほぼ無い。押しの一手で「放銃に回ったらそれまで」という潔い雰囲気もある。ただ伊達にしても近年Mで成績を残している選手はここぞという一打を抑えるシーンも多い。

 

個人戦であればマイナスして終わって、シーズンがそのまま終わっても「今期は運が悪かったな」で済むが、チーム戦となると自分のマイナスが全員に響く。そして自分が勝てなくても周りが勝つこともあるのがチーム戦だ。

このあたりのバランス調整がビーストはまだ上手く行えていない印象がある。そもそも中田が点数計算できないシーンであるとか、他選手の押し引きや手順に関してもチーム内で上手く話し合えていないのではないかと疑ってしまう。

このあたりもチーム全員が初めてのMリーグという点が重い課題となってのしかかってくる。

 

チームマイナス1000ptを超えた雷電に重なって見えることもある。

勝負打牌で強打の多かった萩原、初年度でバランスを欠いた本田。不調の瀬戸熊と黒沢。

萩原と本田がマイナスになっても、その分を回収できるチームメイトがいないのだ。

順位を維持しているチームというのは、やはり誰かが不調のときには誰かが好調であったりする。

 

それが単なる運の偏りであればまだいいのだが、バランスを欠いたままの選手がずっとマイナスを叩き出しているのでは収支は上向かない。

どこかで修正しなければならないのだ。その点で今期の萩原や本田は今のところ良い方向に向かっているようだ。

ビーストはもう来季に向けた動きを始めてもいいのかもしれない。「来期になってから試す」では、今年度と同じ展開になるかもしれない。

 

ここに来て菅原のバランスが一番Mに馴染んでいるようにも見えるが、チーム内で菅原が先頭に立ってみんなを指導するというのも想像できないし、なんかみんな気を遣って結局は惰性で現状のままズルズルといってしまいそうな気もする・・・。