玉の間における豪1はカモ、王座における聖1はカモ。
こんな風に言われることがあるのだが、実際にそうなのである。
麻雀は1/4運ゲーの要素が強いゆえに、実力差というのは常に弱者側が負担を負うことになる(実力ゲーなら常にそれはそう)。これは対人のギャンブルにおいては必然の要素と言える。
つまり運による振れ幅を長期的に均した場合、割りをくうのは弱者ということになる。
しかし、環境が煮詰まってくるとカモが居なくなってしまう現象が起きる。ランクマッチにおいて年月が経つほど相応な実力帯へと追いやられて、サービス開始直後にたまたま運良く上のランク帯に居たプレイヤーもジワジワとランクを下げていくことになる。
アドバンテージのひとつとしてはプレイ時間がある。麻雀でも他のプロゲーマーでも社会人と平行して活動しているプレイヤーは多いため、プロであってもプレイ時間を確保するのは難しいことがある。
そうなるとランクの上がり方はやり込んでいるプレイヤーよりはゆっくりになる。長い年月をかけて上のランク帯に到達する。
先行するプレイヤーはこれらとは当たらないままランクを上げたとしても、その後にランクを落としてしまうことは懸念される。
こうしてそれぞれが実力に応じたランク帯に至る代わりに、カモが居なくなる現象が起きる。こうなると麻雀やApexでも環境が煮詰まって勝てないゲームや運次第の展開になりやすい。
カジュアルなプレイヤーが飽きてやめてしまうのも、このあたりだろう。
PUBGモバイルは常にbotを実装しているが、快適なプレイ体験のためには必須だといえる。何せランクが低かろうとサブ垢でプレイしている上級者は少なくない。そうなると初心者狩りを受けるだけで楽しくないと新規は寄ってこないだろう。
やられ役としてbotは必須なのだ。
初心者はそれがbotだと気づいていないことはあるし、botだと判っていてもシューティングする楽しさは大差ない。まずは楽しさを覚えてもらうという面で必要になってくる。
もちろん上のランク帯にいくとbotは、ほぼいなくなる。botが混じっていても、それを戦略的に倒すかどうかの押し引き判断が必要になる。botなら上級者は簡単に倒せるが、銃声を鳴らしてしまえば他のプレイヤーに自分の位置を教えることになる。そうなると無視してもいいということになる。
後発の上級者やサブ垢二周目などが通り過ぎたあとであれば、ランク帯の実力はかなり拮抗した状態にあるといえる。となると1/4の運ゲーの麻雀においては「勝つでもなく、負けるでもなく、ポイントが上下するだけの状態」になりやすい。
これは「実力がない」というよりも、「カモがいない」と考えるのが妥当だろう。麻雀において実力とは大差の付けようがないのである。魂天~雀豪で見たとしても、いや魂天~雀傑で見たとしても、それほど実力差は無いといえる。
いちはやく、カモが多いうちに、どれだけポイントを先行して稼げるか。
こちらのほうが重要なのである。
「保存魂天」「保存雀聖」などといった言葉もあるが、こういった仕組みを他の麻雀サービスで理解したからこそだろう。あるいは運による振れ幅を理解しているからこそ、落ちたら面倒くさいのでそのままにするのだ。
ギャンブルの大半は実力ではない。「実力だと思わされる」部分が多いのである。実際は実力だと思っている部分の半分以上も運だろう。
実際に勝ち越せるのはカモの存在あってこそなのだ。麻雀のランクマッチで「現状維持だけでポイント増えない」というのは、上手い下手ではなく周りが正常に同じ実力者になったことで、カモがいなくなってしまったのだ。
雀魂に限っていえば、金~玉の間で実力差はさほどなくなっている。ポイント効率的に雀聖は玉で打ったほうが良いというのが結論だが、最近だとそれも微妙だ。
昔ほどカモが居ないので稼ぎやすいということはない。
金の間もリーチに無筋連打するプレイヤーは多いが、ゼンツされた挙句に運次第で有利不利に関係なく負けてしまう事故も多発する。
天秤にかけても「稼げる」というほどの大差は生じにくい。
(加えて玉の間も押し引きがメチャクチャでもはや金の間と大差ない)
今であれば雀聖は王座の間のほうが落ち着いた麻雀を打てるだろうと思う。