ミスと裏目は違う話

よく言っている「20%と30%の選択なら、どちらも当たりもすればハズレもする」という話。

これが「裏目」の話で、「ミス」の話は6789から、特に理由なく6を切って赤5の受け入れを消してしまった、といった類のものだろう。

これも麻雀のようなランダムゲームを続けるうえで分別をつけておかなければならない考え方だ。

 

単純に裏目を引いただけの展開を「選択ミスだ!」というのは麻雀を理解できていないということになってしまう。

逆に明らかな選択ミスを「ランダムな選択だから仕方ないよね」としてしまうのも間違いだと言える。

 

これは初中級者を見ているとあるあるなのだが、本人はそれを解っていないことが多い。明らかな牌効率のミスをして逃した牌を「運がワリーなぁ~」で済ませてしまう。

どうやっても回避できない自摸逃しを「何か間違ったかぁ~」と気にしてしまう。

そもそもそれを自覚できる実力があれば、そうはならないので当然なのだが。

 

これらをオカルトや勘、といったもので回避できることもある。何となく残していただけの牌にくっ付いて聴牌になっただとか、特に理由なく選んだ二択で正解を引けたなど。

ただそれは完全に偶然であって、次に同じことが起きてくれるとは限らない。確率的に有利を選んだほうが良いことは起きやすいはずなのだ。

・・・とはいえ、正解を選び続けてもハズレ続けるのもランダムゲーなのだが・・・。

 

押し引きにも裏目とミスはある。

これはかなり高度な技術だと思っている。

相手の手出しの形から「この一枚は押せない」と考えるか、「あの切り出しなら、この一枚は当たらない」と読めるかで結果は大きく変わる。

 

前者はオリる選択になってしまうだろうが、後者は押してアガりまで見れることになる。これが積み重なれば収支に差がついていく。

手牌読みなどは自分の手牌で牌効率を見たり、相手の河で安牌選びをするよりも難しい。見えていないものを予測するわけだから、見えているものから推理するよりも難易度は高くなる。

読み自体が安定したものではないのでハズレることも普通にあるが、上級卓ほど差がつきにくくなっていくので、この能力が問われてくる。

 

南3の平場、親で聴牌は取れているがドラ赤は無し、あと一枚で流局となるときに掴んでしまった危険牌や生牌。それを押すか、オリるか。

ラス回避であればオリていいくらいだろう。押して聴牌を維持するか難しい局面である。ここで相手の手牌などを読んでリスク管理できれば押し引きはより明確になるだろう。

「一か八かだ!エイヤッ!」と打ってしまっていい一打なのか、悩ましいところである。

 

このときに結果として放銃ラスになってしまったとして、それが「ミス」だったのか「裏目」だったのか。そこをどう見れるかが今後を分けることになるだろう。