和了無しやアガり放棄の場合、着順はまず 3~4着のいずれかになる。
失点無しで2着になれるチャンスがあるのは、トップ目がダントツで残り3人が1万点付近で争っているとき。そのときに振り込みやリーチ棒の提出を控えることで、アガりがなくても着順を上げたり維持できることがある。
意図的に放銃を避ける狙いがない場合は放銃が発生しやすくなる分、2着になれる率がかなり下がる。
しかし、いずれにしても「和了無し」は80~90%で 3~4着になるのは避けられないだろう。東風戦では「1000点でも加点が有るか無いか」で着順に大きく影響する。
それほどまでに他家との点差を上回っておくことは重要なのだ。
そのため、半荘でも僅差の後半戦では急いで1000点をアガりにいく他家を見ることも珍しくない。あるいは流局聴牌料をやや危険を冒しても取りにいったり、リーチをせずに点棒を温存する、条件を作らせないなどの工夫がみられる。
「アガりが無ければ、失点を抑える」というのは当然にしても、自模られるか、横移動の繰り返しで自分が自然とラスになってしまうこともある。そういったときに加点がなければ何もできないままラスになってしまいがちだ。
聴牌まで取れてもリーチ合戦やめくり合いで負け続きでも、やはり「アガりがない(相手はアガっている)」という点で負けていく。
いつどこで加点するかも重要だが、後半戦では安手になっても他家より1000点でも上に行っておくことは重要になる。
逆に序盤でそれを無理に狙う必要は薄いといえる。
ちなみこれはラス回避基準での話になる。
・Mリーガーの選択と打牌
AbemaTVでMリーグを視聴しながら、選手それぞれの打牌意図や思考を追うことができる。そのときに意外な一打に驚かされることもあれば、思考や選択がシンクロすることもある。
麻雀上級者であれば選択はほぼ同等になるだろう。実況・解説でも「これは~切りでしょうね」「まずは~から打ちますか」といったことが容易く起きる。
おそらく市井の麻雀打ちとMリーガーといえど、選択が異なることはそうそう起きないだろう。
となると、大半の麻雀打ちは「トッププロと同じ選択ができている」と言っても過言ではない。あるところで唸らされる一打というものはあるものの、ほとんどの打牌は「打って当たり前の牌」「追って当然の手順」といったことがいえる。
この点について不思議に思う人や、そんなこと絶対にあり得ない、という人もいないだろう。大体、誰が打っても同じ選択になるのが麻雀上級者だ。
自分がMリーグの卓にいても同じ、Mリーガーが自分の代わりに打っていも同じ。
それでも勝敗はつくし、負けるときは負ける。
ミスの一打があったのならともかく、「打って当たり前の牌」を打って負けるのはプロであっても普通に起きること。「限りなく危険牌ではないと判断できる牌で放銃した」といったものであれば、それが一般人だろうとプロだろうと同じ一打で、同じ結果を得るのが当然なのだ。
その同等の手順を踏んでいても連敗はするし、常勝というものは起きないのが麻雀。
だからこそギャンブルであり、運ゲーになるのだ。
「プロと同じ打牌をしていれば、そうそう負けることなんて起きない」というのならプロとアマの違いは大きいが、繰り返すようにMリーグを視聴していても、そこまで思考を外れた一打が放たれるということは無い。
大体が同じ打牌だ。
だからこそプロでも簡単に負けることがあるし、まったく勝てない下振れに陥ってしまうことがある。
プロと同じ打牌をしたとしても勝率が安定することも、勝率が極端に上がることもない。
これを運ゲーと言わずしてなんというか・・・。
Mリーグを見ながら、ふと不思議に思ってしまったのだった。