古今東西ある数多のゲームにおいて「ランダム要素」「運要素」というのはエキサイティングな要素のひとつとして取り入れられていることが多いです。
有名なビデオゲーム「桃太郎電鉄」もすごろくの要素をベースに、バランス調整は「麻雀をアイデアにした」と言われています。
通常のすごろくであれば盤面が進むにつれて逆転は難しくなります。前を進むプレイヤーが有利を取り、後進のプレイヤーが勝つ見込みは徐々に薄くなっていく。
桃鉄はそこにアイテムによる一発逆転などを設けて、最後まで何があるかわからない状態をキープしやすくなっています。
麻雀も卓上の点数は局が進むごとに積み重なりますが、最後に役満をツモって逆転することもあります。このあたりが将棋や囲碁などと違って、盤面の有利不利が簡単に覆るワンチャンスが運次第で入ってくることがある。
言うなればクイズ番組で「最後の問題は正解したら10万点です!!」というようなどんでん返しと同じです。それがあるから諦めずにゲームを続ける理由ができるともいえます。
しかし、地道に成果や結果を積み上げてきたプレイヤーからすれば「冗談じゃない」「ふざけるな」となってしまうのも、この手の一発逆転ゲーのあるあるです。
こういったことが度々起きるとみんな一発逆転だけを狙うようになって真面目にゲームに参加しなくなります。序盤はテキトーにプレイしても、最後に一発逆転だけ狙えばいんだとなってしまう。
だから一発逆転はあるけれど、それはそんなに毎回起きるほどじゃない、かなりの低確率にすることでギリギリのバランスが保たれる。
ごくまれになら役満で逆転されても「まぁ、たまにはそういうこともある。仕方がないよ」で済ませられるかもしれませんが、毎回そうなったのでは「こんなふざけたゲーム真面目にやっていられるか!」となるでしょう。
・それでも運ゲーは基本「ダメなもの」という扱い
ゲームバランスを保つうえで「運ゲー」というのは、プレイヤーからは基本的に忌避される傾向にあります。
通常のゲームで運ゲー要素が入ってくると「バランス調整を投げだした」と手抜きに思われます。
それはそう、ギリギリのせめぎ合いを保つのがゲームメイカーの為すべきところを「運次第でーす」なんてやってきたらバランス調整するのを放棄したと思われても仕方がない。
実際にそういったアップデートが入ると「あ、これ対策とかしても無駄なんでw 一定確率でどうやっても死ぬんでw 真面目にやる意味ないですwww」とか言われてしまう。
実際にそういったものの攻略では「試行回数を重ねるしかない」と結論づけされます。
バランス調整をしたうえで、ギリギリのせめぎ合いが運によって傾くこともあります。
だとしても運ゲーは嫌われます。
ボスとの戦いでギリギリで勝敗が分かれそうなときに、こちらの攻撃がクリティカルヒットして勝つこともあれば、敵側の攻撃がクリティカルヒットして全滅することもある。
あるいは敵の攻撃パターンが最後だけ激しいものになって全滅してしまう。でもそれまでは比較的に優しい攻撃パターンであったとか。
本来、運ゲー要素はどちらにも傾くものなのです。
しかし、プレイヤーの多くは自分に有利に働いたときよりも、自分に不利に働いたときのほうを印象強く記憶します。
麻雀でも簡単にアガれた12000点よりも、3巡目にロンされた12000点のほうが強く記憶に残ることでしょう。
それで自分がラッキーだったときのことは忘れて「運ゲーだ!」「クソゲーだ!」となってしまいます。
もちろん、特に麻雀打ちの多くはこのことに自覚的で、解ったうえで冗談として「まったくひどい運ゲーだぜ!わっはっはっは!(台パン)」としていることでしょう。
・ゲーム内以外の運要素
体調であるとか、通信環境であるとか、周囲の状況などなど・・・。
実際にはこういったこともゲーム上に運要素として関わってくる部分があります。
トイレに行きたくて焦った手順を踏んでしまっただとか、電車の中でスマホから打っていたらトンネルで電波が途絶えて手番が飛んでしまったとか、コップの水をこぼしてゲームどころではなくなってしまったとか。
ゲームに集中したいプレイヤーはそのあたりも事前に極力排除していることでしょう。
長時間ネトマをするプレイヤーはタブレットよりも有線のPCを使うことが多いと言います。集中していると4~5時間経つのもあっという間で、気が付くと電池が切れているなんてことも珍しくありません。
「残り10%です」なんて表示されても、「わかった、わかった。あとにしろ」で忘れてしまいます。そしてブラックアウト。
他にも直前で記事にした「ホストサーバー側の不具合で切断される」といったことも外部的な運要素になってくるでしょう。
あなたがあと一手で勝てる半荘戦の最後に、あるいは勝ったあとにでも、サービス側の通信障害が起きて勝負が無効にされてしまった。なんてこともありえるわけです。
(雀魂で実際にそのことがあったときには段位ポイントが補填された)
こういったことは麻雀以外でも、格ゲーやFPSでもあるあるです。
いわゆる「邪魔が入る」という状況ですね。
でも、それがお子さんや災害だったら、そっちを優先しないとゲーム廃人だぞ、と。