スイカゲームが流行っている昨今ですが、あれを見ていると非常に麻雀に似たものを感じます。状況判断を含めた押し引きと運次第のツモゲー。
実際に麻雀配信者や経験者がプレイしていると「ツモが悪いよ~」であるとか「ここでこんなの引くかね」といった麻雀で馴染みのあるワードが飛び出してくる。
逆に調子が良いときも「流れが良いよ」だとか「ツモ最高!」なんてのもある。
どのゲームも見ているとランダム性のある部分というのは含まれているものの、それがどのぐらいの割合かでゲームのバランスは変わってくる。
よく例えに出すRPGだが、こちらはランダム性は低く、確実性が高い。
レベルが足りなければ敵との戦闘は運次第になりがちだが、レベルを上げればほぼ確実に勝てるようになっていく。レベルMAXにもなれば無双状態だ。
RTAでは非常に運次第になりがちである。敵の行動パターンやエンカウントする内容がランダムになるので、そこの運次第ということになる。
他にアクションゲームとして、ソウル系やシューター系がある。ダクソやCODのようなものだ。これらもプレイヤーの修練という意味で経験を積めば負けはほぼ無くなっていく。
ゲーム内のキャラクターが強くなるのではなく、プレイヤーそのものが強くなることでゲーム内で勝敗に差がついていくシステムだ。ただ、どちらにしてもキャラレベルと装備によってフォローされている部分もある。
格闘ゲームもこの分類に近いものだろう。いわゆる「実力ゲー」とでも言うべきジャンルだろうか。将棋囲碁チェスなどもここに入ってくるだろう。
サバイバルやクラフト系のゲームもプレイヤーの経験や知識によるアドバンテージが大きい。
ただ相手にするのは生存や建築の楽しみといったPVE(非対人モード)の楽しみ方になるだろう。
素材を集めたり、環境を整るために建築したり、好みの生物をペットにしたり・・・。「作業ゲー」と呼ばれるジャンルは人によっては好みが分かれる。
そして麻雀は何だろうか?
まぁ、間違いなく「運ゲー」だろう。
ある程度までは実力ゲーの分類になるだろうが、だとしても運ゲーの要素が圧倒的に多い。MTGなどのカードゲームもここでいいと思う。
上に挙げてきたものと決定的に違う点は、どうやっても実力の勝負にはならない対人ゲーム。という点に集約される。
どれだけ実力者が打っても、場に支配された配牌と自摸でしか勝負できない。それはプレイヤーが決して関わることができない不可侵な領域なのだ。
だから、どんなに上手い人が正着で打ち続けても負けるときは負ける。正解を選び続けても勝てない。逆に下手な人が何をやっても勝てる展開もある。
このカジュアルさが麻雀やカードゲーム(トランプなども含む)の醍醐味であり、主要部分なのだ。
つまり言ってしまえば格ゲーやFPSのような「実力勝負」よりも、「ある程度は運で勝ちやすい」というパーティーゲーム要素がウケている理由だと言える。
スイカゲームはどうだろうか?
もちろんある程度までは知識や経験がものをいうゲームではある。しかし、それ以後はどうなるか。ひたすらツモ次第のランダムを引き続けるだけになる。ダブルスイカを成し遂げた人物でさえ、常にダブルスイカを成功できるわけではない。
そして始めたばかりのプレイヤーでも意図しない反応で、たまたま何となく上手くいってしまう展開もある。ラッキーだけでスイカまで簡単に到達してしまうこともある。
運次第なのだ。
だからWスイカを目指すのであれば、RTAのように序盤中盤でダメなら捨てゲー(記録を諦めてプレイを中断すること)が増える。
ソシャゲなどで特定の敵が落とすアイテムを目当てに周回するときも「リタイア マラソン(リタマラ)」と呼ばれる行為が発生することがある。
目当ての敵がエンカウントしないと、「もう結果がわかりきっていて、これ以上やっても無駄だから止める」というルーティーンが発生するのだ。
麻雀でいえば配牌オリみたいなものだろう。実際には麻雀も「こんなのリセットして無しにしたい」というのはいくらでもある。しかし3~4人の対人戦であるがゆえに、それが許されないだけなのだ。
ランダムゲーで、引きが悪くても中断できない。非常に効率が悪い。そしてそれが何局続こうと何もできない。プレイヤーができることなど無いに等しいのだ。(何かやったと思っても、それはそう思い込んでいるだけで、結果に影響していないことも多い)
スイカゲームもどういう引きになるかは運次第で、プレイヤーがどれだけゲームの法則や知識を修めて、経験を積もうが最終的には関係なくなる。「実力ではどうにもならない」時期が来るのだ。
これだけ聞くとネガティブなイメージしかないが、繰り返すように「運が良いときはひたすら好展開が続く」というのも運ゲーの特徴だ。
知識や実力を必要としない、運だけでどうとでもなる展開になることもある。
それがランダムゲーが人を惹きつける魅力でもある。
スポーツなどでも運次第でたまたま上手くいくことはある。それで楽しくなって始めるきっかけになることもあるだろう。ギャンブルのビギナーズラックと変わりない。
負けてハマる人種もいる。そこは様々だが、麻雀のようなランダムゲーの「上手くいった(と思い込んでいる)」ときの快感は中毒性があるのだろう。
勝っても負けても「たまたまなんだよなぁ・・・」と解っていても辞められないものがある。
実力ゲー、と呼ばれるジャンルの人間がスイカ配信をしているのを見ると「ああ・・・、はい。こういうゲームね・・・」と何かを察して冷めていたり、「んだよ!この運ゲーがよ!!!!」「こんなのどうにもできねえだろ!!」「良いの引くまで繰り返すだけのゲームじゃん」とキレていたりする。
それはそう、彼らにしてみれば自分の実力次第でフィールドを変えられるゲームを主要としているのだから、「プレイヤーが結果に関われない運ゲー」に対して、呆れたりキレたりするのは当然なのだ。
カジュアルプレイヤーは、実力ゲーの練習や知識を必要とする部分を求めていない。だから運ゲー要素のあるパーティーゲームや、RPGのように作業を積み重ねるだけで成果を得やすくなるゲームを求める。(娯楽なんだからそれはそう)
そしてやはり麻雀プレイヤーというのは、ここの部分で大きく格が分かれる。理不尽でどうにもならない、まともに成果も得られないことを前提にゲームを続けている。実力の影響がほとんど出ないゲームをしている。
こうして冷静になってみると、どうにもおかしいのではないかと改めて・・・。
そしてやはり余暇に「成果」を求めてやるゲームではないなと本当に・・・。
泥沼ゲーすぎる・・・・・・。