見えない選択肢を探すのが麻雀の上達

前のトピックを書いていて思いついたテーマだが、麻雀を上達するうえで必須となるのは「選択肢の存在に気づけるか」という点だ。

 

例えば牌効率でいえば、

「4555m、88p、123 788s、西西西」と持っている形で、555mの暗刻を固定して4mを切るのがスムーズだが、「暗刻にくっ付いた牌は使いやすいから残そう」と思ってしまいがちなのが初中級者だ。

この場合は雀頭が88pで完成しているので、34555mなどの形を狙う必要がない手だ。4mを切って88p788sの受け入れを最大に構えるのが良い。

 

これも気づきの問題で、「(34555などにする必要はないので)4mを切る」という選択肢に気づけるかということだ。

 

守備の面ではよくある例を出してみよう。

場に5pが四枚切れている。リーチ者の河に9pが切れていて、自分は6pが暗刻。この6pは単騎にしか当たらない牌なのでかなりの安全牌だ。だが実戦では気づけずに他の牌を切って放銃してしまった。といったケース。

「安全牌に気づけなかった」と後から牌譜検討で反省するのはよくあることだ。しかし牌譜検討でも気づけばまだ良いほうで、「安牌があった」と反省することさえないまま続行するプレイヤーのほうが多いだろう。

相手の最終手出しが赤5だったので14・69牌が切りにくいなど、危険度の比較も守備の気づきだろう。(安牌の選択)

 

最後にもっとも気づきにくいのは押し引き判断についてだろう。

点数移動なども含まれるので、点数計算がある程度できるかでも異なってくる。プロはやはり直撃~ツモまで含めて条件の計算が早い(というか暗記している)。

オーラスで逆転は難しい点数状況だが「上家に1000点直撃すれば三万点以下で西入りになる」というケースや、ノーテン罰符の移動で順位が変わってしまうのでケイテンを取らないといけない、など。

赤含みの聴牌だがドラの役牌が見えないのでリーチせずにいたが、切られても誰もポンしなかったのでリーチしたほうが有利かもしれない…であったり。

 

アシストなども選択肢に含まれる。

よくあるのがトップ目の下家に居て、自分は2~3着。「ラス回避なので逆転なんて狙いませんよ」と鳴いてタンヤオなどでオーラスを終わらせようとする。このときに上家のトップ目が気づいてくれれば「よしよし、一緒に終わらせよう」と鳴けそうな牌を出してくれたりする。

これが意外とケースとしては少なく、ダントツなのに頑なに振り込ないように守ってくるプレイヤーもいる。(とはいえ自分も「差し込んでもトップだな」などと後から気づいたりする)

 

・選択肢を多く持つ

どの競技でも共通しているのはこの点だ。麻雀に限った話ではない。

当たり前すぎて「そうだねー」と流してしまいがちになるが、卓上での選択がさほど多くない(運ゲーな)麻雀において、数少ない選択の余地というのは見失っていたら勝っていけない。

牌譜検討で「これやってれば勝ってたよ」「これ見落としてなければ負けてなかった」「ここは条件を満たす必要があった」といった指摘を受けるときは、他の「こっちのほうが良かったかもなー」「微差だけどこっちかなー」といった曖昧な検討とは別の次元だ。

 

「自分が選択に気づけていなかった」というのは大きなミスである。運ゲーですらない。確実なものを見落としたのだ。

自分で気づけるようになるのも大事だが、やはり上級者から直接に受ける指導というのは、こういった点で有利だろう。初中級者は「自分が気づいていなかった」ということにさえ無自覚だ。

座学によってこれを克服することもできる。

知識をえることで見えなかったものが見えるようになることは何事においても進歩だと思う。