ネット麻雀と荒らしの話

先日、あるネット麻雀のスレッドを見ていて「強いやつがいたら、負けてるやつにわざと振り込んだりして強いやつを負けさせる」という書き込みを見た。

私自身、こういった行為とは無縁である。もちろん、差し込みであるとか順位操作を狙っての行動は別だが、「あいつが気に入らないから勝てないようにしてやろう」などというのはやっている余裕もない。自分の着順をキープするのに必死だ。

 

スレッドで書き込んでいる人物も「自分が勝てなさそうなときにやる」としていた。いわゆる麻雀における「目無し問題(戦績を残せない状態、詳しくは後述)」と同じであるが、ネット麻雀だとこれが「荒らし」行為に発展するという懸念をこれまで私は抱いていなかった。

私自身、純粋に最後まで打つことが多いし、回線の切断は意図的な荒らしとはまた違った行為だと捉えている。

 

・どのゲームにも荒らしは存在する

普通に見ればおかしなことだが、どのゲームにも必ず荒らしやチーターは存在する。そういったプレイスタイルが(一時的であれ)楽しいと感じるプレイヤーは一定数いるようだ。私自身、子供時代の裏ワザ攻略などは思い当たるところがある。そういった一過性のものを含めて、オンラインゲームでは他者の迷惑となってしまうことがある。

それ以外にも「他人が嫌がっているのが楽しい」という嗜好性の人間も存在する。

 

そう考えれば麻雀アプリにおいても、それと同等の存在がいることは危惧すべき問題だった。だが麻雀の場合はおかしな行動があっても、それが可視化されづらいし、単に初心者なのかと思って見過ごされてしまうこともあるだろう。

差し込みやアシストも着順によっては違和感がないこともあるだろう。3着キープのために2着にアシストしたとしても、ラス回避したい状況によってはおかしくない。

 

雀魂でいえば「玉の間の雀聖」「肉球マーク」「Pマーク」などの同卓が居た場合に、意図的にその人たちが不利になるように動くことは考えられる。

玉の間の雀聖はよくあることだが、王座の間のポイント配分がほぼ変わらないため、サポート機能などがそのままの玉の間で打ちたいといった理由から残っている。雀豪が金の間に残るのとはまた少し事情が違う。

だが他から見れば「強いのにわざわざ下位の卓で打ってる!」と嫌がらせされる理由にもなり得る。

 

これまでは「強い人がいるから注意して打とう」「強い人がいるから頑張るぞ」といったポジティブな意見を見ていたが、「強いやつがいるから荒らしてやれ」は自分としては盲点なプレイスタイルだった。

だが、考えれば存在して当たり前のプレイスタイルだった。

 

普段から勝てていなかったり、たまたま負けが込んで投げやりになっているプレイヤーが一時的にこういったプレイスタイルに陥ってしまったとしてもおかしくはない。

相当ヘタな人がこういった嫌がらせを狙ってやるとしても上手くいかないだろうが、中級者以上であれば少なからず場に影響する程度の振り込みなどは起きるだろう。

 

最近、玉や王座でも「どうしてこの手から振り込むんだ?」というのが頻発していた。牌譜で見ても意図が掴めない。高めの聴牌で一枚勝負したわけでもない、他に安全牌がなかったわけでもない、まるでコンビ打ちかと思わせるような不自然な打牌。

だが、それも「荒らし行為だった」とすれば理解できなくもない。

もちろん切り間違いや、思考のミスなどヒューマンエラーも十分に考えられる。だからこそ麻雀では荒らし行為が可視化されづらいのだ。

 

・麻雀における「(勝ち)目無し」問題

麻雀において「わかっていても何もできない」という状況は往々にして訪れる。逆転したいのに大物手が来ない。先にアガりたいのに聴牌しない。など様々だ。

そういった中で「負けが確定している」状態を「(勝ち)目無し」という。大会やトーナメントで使われるほうが一般的である。

最終局がはじまったが、その前の時点で点数的に自分の敗退が決まっており、例え役満をアガったとしても逆転は無し、自分がそこに座っているのはゲームを成立させるためだけ・・・という状態である。

 

このときにどのようにゲームに関わるかが長年の問題とされている。

 

・何もしない

ひたすらツモ切りしてゲームに参加しない。ただこれだと普通なら場に出ない牌もあっさりと出てしまい、下家が有利になるので場に影響する。

 

・普通に打つがアガらない

テンパイしてもリーチせず、和了したとしてもアガらない。ただこれも場に影響することが考えられる。先手のノミ手で終了しなかったせいで役満が出て順位が変動するなど。

 

・いつも通り打つ

現在ではこれがもっとも正着であるとされている。リーチする手ならリーチする。アガれるなら上がる。それが本来の場の姿であり、乱れがないという判断だ。

 

ここに荒らし行為が加わると考えるのがネット麻雀だ。

上記のパターンはプロが大会などでどのように振舞うかの話であって、アマチュアの娯楽には関係がない。そこで「こいつが気に入らないから他のやつに差し込んでやれ」という思考が入ってきてもおかしくはない。

 

雀魂などスタンプが入るゲームだと、どのようなものであれ「煽り」だと受け取って嫌がらせを考えるプレイヤーもいるかもしれない。そういったターゲットにされてしまう事故も考えられる。

 

他にも冒頭のスレッドでは「レーティングが高い奴」「段位が高い奴」「同卓してバカヅキの奴」などターゲットは多かった。ともあれ荒らす側の理由付けなど、どうとでもなるし気にしても仕方のないことだ。

因縁をつける人間は暴れたいのが目的で、理由などどうでもいいのだ。

 

ともかく、麻雀を打っていても、まともなコミュニティに所属してれば、こういった発想が話題に上がることはない。あったとしても友人戦やネタ程度で済まされる。

まさか段位戦などの場で本気でやっている人間がいるとは思わなかった。だが、言われていれば「居て当たり前」であった。

今後もし、そういう不自然な行動を取っている中上級者のプレイヤーと対戦しても首をかしげることは減るだろう。