ネット麻雀には「自動自摸切り」という機能がある。仕方なく自分が離席しなければならないときに、同卓者への配慮として押すものだ。その場合、ゲームへは参加しているが、ツモ切りするだけになるので内容には関われなくなる。
このように全局でツモ切りした場合の数値がどうなるかという研究。ネットでググってもきちんとしたものは発見できない。だが、すでに誰かがどこかで実証していることだろう。データがあればぜひ見てみたいものだ。
自分でもどこかで試してみたい気はする。一人麻雀か、雀魂でCPU相手にするとか。CPU弱いんだよな・・・。
さて、全局自動自摸切りにしたと仮定しても、放銃率は20%ほどに留まるという話を聞いた。
意外と少なく感じるが、もっと長期でデータを取ったら変わりそうだし、採取場所が初期卓か、上位卓かでかなり変わりそうだ。
よく見るゼンツタイプの放銃率といえば17%前後が多い。相手からリーチや副露が入ってもお構いなしに無筋をバシバシ切るタイプ。だが、自動自摸切りよりは放銃率は低くなる。
仮に自動自摸切りの放銃率を20%と仮定して、ゼンツ型を17%とすると、その3%の差は「和了によって放銃を免れている場面」になるだろう。
アガる、ということも放銃を回避する方法のひとつではあるのだ。
リーチをかけられたが、自分は安全牌が無く、一応役ありの聴牌。であれば押してアガってしまったほうが安全になれる。という判断をすることもある。背水の陣だ。
ほかにも間接的であれ、打点の低い手の場合はサッと副露してアガって、相手の高打点を潰してしまうのも失点を防ぐ方法になる。手の形は良いが打点となるドラ赤が無いときに速攻は有効だ。
このように麻雀は「短期的には」攻撃によって防御を兼ねることもある。だが、毎回こればかりやっていても通用しない。いつも言ってるようにゼンツは運次第でしかないのだ。
運よくアガれたから「これで正しかった!」「麻雀が強い!」とはならない。ただ無謀なだけでは勝ち越していけないのが麻雀だ。
だが雀荘のおじさん達はこういったことを気にしない。長期の成績など見ないからだ。ネット麻雀は記録として戦績データが可視化されるが、雀荘の麻雀では放銃率が何%などと表示されることはない。記録も記憶もされない。何戦やって勝率は何%だったなどとチェックする人はいないのだ。
だから「押してりゃいんだよ!」なんておじさんが増えるのである。まぁそういう人はネトマだと行けて二段や雀傑あたりまでなんだけど。
・とはいえ運次第なのが麻雀
ゼンツがただの運ゲーとはいえ、麻雀がそもそも運ゲーなので、いかに防御して耐えたとしても、そもそもアガれる配牌とツモが来なければツモられるだけでラスってしまう。
いわゆるクソラス・無理ラスだが、そういった展開も避けて通れない。そういったときに「ゼンツしてれば通ってたな・・・」と思うことはあれど、結局それは結果論でしかないのだ。
ゼンツしていれば1/3回は無傷でアガれるかもしれない。だが2/3回は相手に放銃することになるだろう。ゼンツなんて続けてもマイナスになるのは目に見えている。というかゼンツで放銃率が高いアカウントなんていくらでもあるのに、その人たちが上位卓で勝ち越しているということはない。
自動自摸切りでも二着を取れるのが麻雀だ。
そして二着を取り続ければ収支はプラスになってしまう。
自動自摸切りでさえプラスになる可能性がある・・・なんとも馬鹿げた話である。
もちろん実際にそんなことは起きるはずもなく、長期でなら成績は下がり続けていいくはずだ。
ゼンツの麻雀は自動自摸切りよりも「ちょっとだけ」勝ち越せる程度だと考えると大したことがないとわかる。自動自摸切りよりも少し成績が良いだけ。
まぁ、自動自摸切りと比較されるような麻雀を打つよりは、ちゃんと守備も覚えたほうが麻雀らしいかなと思う。