アガりがないから勝てない話3

「負けるときって結局アガりがないからなんだよなぁ」という話は何回かしているのだが、振り込みをしてもアガれるときはラス回避しやすい。8000点や12000点をアガれば、あとは事故が無い限り凌ぎやすい。

一番まずいパターンは事故ったあとアガりがない状況。3巡面に切った牌でダマ12000点の放銃などをして、点数を取り返そうと思っても手牌が何も入らずに終局。結果、その事故だけで他はミスらしいミスもない。

または自分の放銃は無いものの、加点が一切できずに気づいてみればオーラスでラス目。そしてやはり何もできずに終局。

 

以前、別のサイトの記事で「雀魂で不調だと感じるときにデータを調べてみた」という内容で、「リーチで負けていることが多い」「和了率が下がって、結果として放銃率やラス率がアガっている」とまとめてあった。

NAGAなどの検討をしても着順率が表示されるのだが、シチュエーションによってグラフがどんどん下に下がって、最終的には回避不可能なレベルになることもある。

 

他にも牌譜屋からランキングで「好調・不調」でそれぞれ比較してみると面白いくらい差がはっきりと出ている。

 

・好調者のデータ(直近100戦)

 

・不調者のデータ(直近100戦)


和了と放銃は相関であるため、「アガれば放銃はない」し、「放銃すればアガりない」といえるので当然の結果ともいえる。
興味深いのは「放銃率自体は変動していないケース」である。提示した不調者のサンプルは3件のみだが、他にいくつか見ても「放銃率が15%前後になっている」ものと、「放銃率自体は常に10%前後に留まっている」というデータが見られた。

前者は極端に放銃が増えている押しが強い攻撃タイプだが、守備タイプは放銃率自体は変動しにくいことがわかる。

そして共通している点は「和了率の低さ」である。

 

攻撃タイプの不調者が「放銃するので和了できない」はあるとして、守備タイプの不調者は「放銃しなくても和了できていない」ことがわかる。

守備タイプも、守備的になりすぎて和了を逃していることはあるだろう。しかし、数字を見ても雀聖以上で放銃率10%前後というのは平均的な数字だ。特に守備的に打ちすぎているというわけでもない。

凌いでも和了チャンスに恵まれていないことが判る。

 

次にリーチ率の比較をしてみたい。

 

・好調者のデータ(直近100戦)

 

・不調者のデータ(直近100戦)

 

まず不調者の数値が全体的に低めなのが気になる点だ。ダマであれ、リーチであれ、「そもそも聴牌できていない」「先に和了されている」ことが伺える。

リーチ率がそこそこあっても和了率は40%台なのも不調者の特徴として一貫している。対して好調者は60%近い。10~15%近い差が生じている。

不調者でリーチを多く打っていても負けが込んでいる下のケース。リーチ率18%は、好調者と比較しても多い数字だが、おそらく愚形なども強く押しているのだろう。

結果としては悪いほうに出ている。(サンプル者がリーチ次第のギャンブルゲー型か、上の放銃率も15%と高い)

 

・データで見ても正解は無い

データで見ると結果として和了率や聴牌率に差があることは解る。しかし、例えば「攻撃型か守備型はどちらが正解か」「リーチとダマはどちらが正解か」などといったことはない。どちらも正解にもなるし、不正解になるときもある。

ひとつ確かなのは守備力に差がなくとも、和了率次第で成績は変わるということだ。

「攻撃は最大の防御」と言葉だけなら当てはめられるが、和了すれば結果として放銃も無いというのは運に寄るところが非常に大きい。

 

押したくても聴牌形できない。先制リーチがバンバン飛んできて、自分はまだまだ字牌の整理中で勝負にならない…。で、あれば守備に回るしかないのが現実だ。そこで無理をして放銃率を上げても意味は無い。

数字として「和了率が低いから勝てないんだ!」「押してアガりに向かうのが正解なんだ!」となっても、一辺倒に攻撃すればよいとは言い切れない。

 

和了できる手牌か、和了できる場況か、それはプレイヤーにはコントロールできない部分なのだ。そしておそらく不調者の多くは和了の機会を与えられないか、与えられてもアガれずに負けに繋がっていくのだろう。

配牌がドラ含みの多面張で絶好なのにアガれないまま終わる。リーチしているのに競り負ける。早いダマテンを入れても誰も当たり牌を出さない。役牌で聴牌なのに山に深いかモチモチで先制を打たれてしまう。

どれもよくある光景である。

 

魂天クラスはやはり最後の最後までアガりや聴牌形を見る傾向にあるが、それでもオリたり回したりは観戦していてもよくある光景である。

そういった中で「上手くいく」のは、やはり上振れが続いたときなのだなと思う。

今回データを抽出する中で、魂天2が雀豪1にまで降格しているものや、放銃率は据え置きのまま1位率が異常に低いアカウントなど、ひどいものがたくさんあった。

どれも数値で見ても特に実力に差があるとは思えないのが救いがない。たまたま下振れが酷かったんだろうなと思わざるを得ない。

 

・追記

自分の戦績を月単位で比較。わかりやすい。

(およそ100半荘ずつ)

 

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今月