AIやTASで学ぶ最適解

少し前に話したRTA、色々と見続けているとTAS(CPUが最適解で行うRTA)の行動をコピーしている走者が結構でてきていて、そういった人たちが世界記録を塗り替えている。

まぁ発想としてはわかる。いわゆる「状況再現(ゲーム内において特定の条件を満たしたときに再現可能になる状況)」でシチュエーションをコントロールできるのであれば、それを人間のRTAでも実践してしまえばいいのだと。

 

しかし、例えばRPGで「町を出てから右に5歩、左上に10歩、下に3歩、川沿いに上に5歩。これで特定の敵が出現します」とか言われても、それをパターンごとに暗記して全マップ(あるいは要所のいくつか)で実践しろって・・・。

どんだけ暗記してんねん、って話ですよ。

テスト勉強みたいに詰め込みで何とかなりそうではあるけども。(それに慣れてたらラクなもんか)

 

将棋や麻雀プロでも「AIの手順をなぞる」というのは研究として、すでに出てきている。人間よりも強いか、同等とされるCPUと同じ選択を取る。

それを丸暗記してしまう。

実際にこれは強いと思います。

自分で考える必要がないようにも捉えられるかもしれないけど、そもそも思考というものは基本ベースとなる部分があってこそ派生が生じる。その基礎部分をCPUから流し込んでしまおう、というのは発想としてはアリだと思う。それこそRTA走者がTASの行動を丸暗記しているみたいにね。

 

ただ実際にはRTA走者は事前にゲームのことを知り尽くしているし、そこにTAS暗記が加わるようなもの。TAS暗記してからゲームを初見プレイするのとはわけが違う。

だから結局、麻雀や将棋でもまずはそのものに詳しいというのは必要になる。

将棋の藤井プロのAI活用なんかもこういったものなのかと思う。

 

麻雀AIも天鳳十段くらいは当たり前になってきているが、麻雀というものがランダム性が高いことと、「勝つプレイ」と「楽しむプレイ」が剥離しているのも人間には難しいポイントになる。

四暗刻単騎の聴牌になったが、崩せば三暗刻リャンメン待ちも維持できる。アガり率が高くなるのは後者・・・、しかし。

同じような待ち変化は多くある。大三元小四喜を狙って数牌のリャンメンを外したり。

 

プロの役満和了率が低いのは結局アガり優先にして、こういった選択を取らないためだ。だが市井の麻雀打ちにそれはなかなか難しいこともある。

せっかく張った役満聴牌・・・、どうせなら・・・狙うか・・・!

となるのが大体だろう。

点数状況によるが、AIも基本的にはアガりやすいほうを選択するし、わざわざ聴牌を外すようなことはしない。

 

それはプレイヤーもわかっていることではある。わかってはいるが・・・!

かなしい人間の性である。

配信者効率なんて言われ方もするが。エンジョイプレイもプレイングの内だ。

 

麻雀も何切るの形、清一色の多面待ち、点棒状況、シチュエーションの%・・・などなど、丸暗記して使えるものは多いが、しかし暗記しているかと言われたら実際そうでもない。

その場でウンウン考えて中途半端な答えを出してしまうことは多い。このあたりがプロとアマチュアの差になっているだろう。

まぁ、お金もらえるわけでもないのに、そんなに時間や労力を費やしてまで楽しいゲームかと言われたら、役満狙ったほうが楽しいゲームだとは思う。

 

ましてや、その労力が必ず報われるわけじゃない運ゲーだってのが大前提にあるしね~。