根拠のないセオリーとかの話

野球で「2ストライクの後に、一球外して勝負する」というのがセオリーとしてあるのですが、これは統計的には全く根拠がない戦術なのだそうです。

そもそもバッターカウント2-0はピッチャーが圧倒的に有利な状況であり、そこからわざわざ相手に1ボール与えて2-1にする意味はない。というのは数字の上では簡単な理屈です。

しかも実際にカウント2-1にしてから不利な勝負を持ちかけて負けてしまうバッテリーも少なくない。では何故わざわざバッター有利のカウントにしてから勝負するのか。

 

これについて諸説あるものの、「きわどい所に投げて勝負する」「変化球を投げるので外れやすい」など、勝負にはいっているけれどボールになりやすい、というもの。

この他に何とも馬鹿げた理由として、「少年野球時代から2-0で勝負して打たれると”何やってんだ!”と怒られるから投げなくなった」というものが挙げられていました。

2-0でピッチャー有利のカウントから勝負にいって打たれたからダメだという理屈。まぁ昔から「一球見せる(緩急をつける)」とかでひとつ外すのがセオリーになっていますが、数字の上ではまったく効果はない戦術。

 

他にも野球のローカルルールなどに触れる動画をいくつか見ましたが、どれも発生した経緯に根拠はなく、誰かが何となく始めたことが定着しているだけとか、団体や協会で決められているけれどスポーツ的な理由はまったく無いだとか。

どれもそんなものばかり。

で、世の野球少年たちは真面目にこれを守っている人がなんと多いことか驚かされました。要はプロになっても「効果もないことをずっと実行し続けている」のです。

まぁ、もう習慣的なことでしょうから変えるほうが気持ち悪いのかもしれません。

 

それでも野球界にも統計の考え方は広まってきています。それでもまだ「わざわざカウントを不利にして、相手に有利な状況にしてあげる」ということがまかり通っているのです。

バッター目線では「ファーストストライクは振るな(球を見ろ)」といったもの。

麻雀のような押し引きで言えば序盤は見たほうが得かもしれません。相手ピッチャーの球数を増やして疲れも出せるし、球筋を見て回を重ねるごとに打ちやすくなるかもしれない。

 

しかし、だとしても数字の上ではバットを振るほうがヒッティングの確率は上がります。ここには場況も含まれるでしょう。

では代打の一発勝負や、短期決戦でコロコロピッチャーが変わる勝負ではどうでしょうか?

代打では次の打席なんてそもそもありません。出し惜しみの無い大会などでは球筋を見たところで次の打席では別のピッチャーが投げているかもしれない。

 

そんな状況でもまだ「よく見ていけ」なんてやっていたら、見ている間に試合は終わります。

麻雀で言えばドラ1聴牌が入っても「愚形だから良形になるまでリーチは待て」なんて言っているような古い戦術です。

そんなことやっていたら局が終わってしまうのは誰にだってわかります。(もちろん場況は考える前提だが…)

 

将棋や囲碁や麻雀では統計やAIによる損得がハッキリと活かされて、今では古い非実用的な考え方は淘汰されてきています。

でも野球界を見ていると古臭い考え方が未だに蔓延っていて、本当に麻雀で言うなら「昭和のオヤジ打ち」とでもいうようなセオリーが忠実に守られている。

第一線の選手やトレーナはもはや、この限りではないでしょう。しかし少年野球やローカルではまだまだなんだなと思わされます。

 

麻雀でも根拠のないセオリーやオカルトというのは実に心当たりがあります。

でも過去にはそれを真剣に決まりとして守っていた人たちがいたんだなぁ、とあきれ・・・感慨深いものがあります。

でも、まぁ、そんなことやっていたら勝てないよね。というのもハッキリと判ってきました。野球も昭和のオヤジの考え方は捨てましょう。