深掘りの話

当ブログでよく言う「微差」「超微差」の話。

初中級者はあまり掘り下げる意味が無いとも言われる部分。

基本から外れる部分でもあるため、基礎を学んでいる段階では教わるべきではないとされる戦術の類。

 

しかし、いずれは限界を迎えて「いや、このシチュエーションじゃ、教えられたセオリーじゃどうにもならなくないか?」という状況になったときに、じゃあ、セオリーを破ってでも生存ルートを探してみましょう。という話になる。

それ以外にも「習慣的にやってしまうこと」だとか「反射的にやってしまうこと」などを意識的に変えていく方法がある。

格闘ゲームFPSでも「このシチュエーションは運ゲーじゃないですか?」という視聴者からのコメントに対して、プロプレイヤー達は「まぁでも例えばこういう対策は取れるよね?つまりそれは運ゲーとは言えないよね」という深掘りを伝えている。

 

ただ、ライト層のプレイヤーからすれば「そんなところにまで気を使ってゲームやってられないよ」という話になってしまうのだ。

私も麻雀を始めて浅い頃からすれば「手出し自摸切りを見る」などということはプレイ範囲に入っていなかったし、「(河や切り出しの牌で)相手の手牌を予測する」だとか「(手牌読みを含めて、カウンティングで)山にある牌の残りを考える」ということも自分からは遠い非現実的なプレイングであったと思う。

 

やはり深掘りは、やり続けることで自然とそれを行えるほどに上達や場慣れしてからの話になるのだ。

最初からそこを目指す必要はない。

また目指したとしても得られる理解もないと思う。基礎あってこその応用なのだ。

 

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FPSプレイヤーの釈迦は「左右どちらかから敵が来るシチュエーション」において、「これを左右どっちかから来るって、両方を見てるとタイミングゲーになっちゃうんだよね」「自分が見てないタイミングで相手が来ました。タイミング悪い〜、みたいな」

「でも例えば片方だけに移動してたら接敵しないシチュエーションも作れるのよ。右にだけ移動してたら、左から追ってくる敵とは会わないようにできる」「次の角まで移動すれば、背後からの射線も切れる」

「で、マップ移動の距離が長い直線とか広い場所に出たときに、相手が背後にいたとしたら、自分を射線に晒すことになる」「そこでまた新たに選択が出てくる。(移動するとやられるので背後をカバーするとか)」
「そういうので負けたときに、それをどこまで掘り下げられるか、っていうのが強さに繋がる」

 

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格闘ゲーマーのボンも、いわゆるジャストディフェンスやブロッキングのシステムについて「運ゲーではないでしょ」と語る。

「タイミングを狙ってやるものであって、まずは読みありき」「相手がコレやってくるな〜、ってときに狙ってやるもの」

「なんかたまたまジャスパできましたー、ラッキー!ではない」

 

また特定のシチュエーションにおいて愚痴ったコメントに対しても、「ゲージが無くなったからジャストパリィ出来なくて負けました、ってのはさ。そりゃゲージ無くした自分のせいじゃん」「そのシチュエーションにしちゃった自分の責任じゃん。だからプロ勢は、そのシチュエーションにしちゃった俺が悪いよね、っていう反省の仕方をする」とも語る。

しかし、この手の話はカジュアルなプレイヤーからすれば「そりゃ理想論はそうかもしれないけどさ…」「そこまでストイックにやらなきゃなのか…」という、「実現し難いもの」という印象だろう。

 

だから深掘りの話は一定以上のプレイレベルに達していないと「現実味を持って受け取ってもらえない」のだ。

上級者から「手出し自摸切りを見ていれば、相手の牌姿を読んで避けられた放銃だ」と言われても、初中級者からすれば「そんな手品や曲芸みたいな無茶言うなよ」という非現実的な要素になってしまう。

そんなものをうまぶって最初から覚えようとしても空回りするだけになる。だからこそ「上級者が気にするような細部(深掘り)を無視しても、セオリーを覚えたほうが(最初は)トータルの成績は上がりやすい」とされるのだ。

 

・暗記と応用の話

ついでというか、これ一つで記事にするほどの内容でもないので。

少し前の記事で「麻雀の基礎なんて暗記で済む」と書いたが、これは「暗記した知識を場面に当てはめて使う」という応用前提のところがあった。

そこのところが説明不足というか欠けていたのだが、例えば「立直に対してスジの安全牌を選ぶ」というシチュエーションも、ドラ1sに対して「4sが切られているから1sは安心」とはならないように丸暗記した知識がそのまま使えるわけではない。

まぁこの程度ならプチ深掘りというか。そこまで難しくはないけど、基本から少し外れた知識の使い方(応用)というか。

 

自分はこういうところで「自分で考えてプレーする(押し引き判断をする)」というのが身に付いてはいるのだなと思った。

これもまた少し前に記事にしたが、教えを実直に守るだけの野球少年であるとか。そういった人達は素直であると同時に愚直でもあるというか。教えられたことを守り過ぎるというか。

そういう人たちに「暗記で済む」とだけ言ってしまうのは語弊があるな、と反省したのだった。