愚形ドラ1即リーが間違いなのか

麻雀の講座動画を提供している平澤元気氏であれば「まぁ大体リーチ」と言うだろう愚形ドラ1の手。もちろん点数状況や先手か後手かなど場況もあるだろうが、実際のところリーチしたほうが得なことが多い。

しかし別の配信者は「打たないほうがいい」という人もいる。

 

渋川難波や平澤元気が初中級者向けに「60~80点の麻雀が打てれば十分勝てる」という趣旨であれば、「愚形ドラ1はリーチ」となるのは間違いではない。

局収支で見てもどうやってもプラスにしかならない。打たないほうがマイナスだ。

じゃあもう覆しようがない即リーじゃん、となる。トッププロが「打つな」と言っても統計で「収支プラスです」と言われたら止める理由がない。

 

100回チャンレジできるゲームがあるとして、ルーレットの赤と黒を当てるとする。試行回数一万回の統計で「100回以内でも赤にかけたほうが圧倒的にプラスになる」と言われて、黒に賭ける人がいるだろうか。まずいないだろう。

ルーレットのプロが現れて「赤に賭けるのはやらないほういい」なんて言われて、言うことを聞く必要があるのだろうか。あるとしたら「特殊な状況」だけだろう。

 

その特例を聞いて頭に入れておくことは有意義だろう。しかし「じゃあ全て愚形ドラ1をリーチするのはやめます!」という人は麻雀は強くなれないだろう・・・。少なくとも現代的な打ち手にはなれない。オカルト寄りの打ち手になる。

 

例えば枚数がないとか、手代わりで多面変化が多いであるとか、そういった条件があって、あえてリーチや聴牌をとらないこともあるかもしれない。

ただ統計的にはそれをやっていたら損をすることのほうが増えると証明されている。

 

麻雀はいつも言うように「正解を選んでも負けるし、間違えても勝てるゲーム」だ。

「愚形ドラ1はリーチするな」という判断はほぼ間違っている。特殊な状況を除いてまず収支マイナスにしかならない。

だが、その愚形ドラ1をリーチしないことで「上手くいくこともある」のが麻雀だ。だからこそ「愚形ドラ1はリーチしないほうがいい」と思い込んでしまう。

しかし反面、打たないことで損をしている場面も多々あるはずなのだが、当人はそのことは覚えていないし、統計で差が出るといっても人間はそれほど対局における差を記憶しておけない。損をしていても気づかないのだ。

 

場況を読んで変化を待つのも大事だが、読みというのは基本的にアテにするものではない。特に麻雀においてはアテにならない。合っていたところで「じゃあカン2sの待ちは止めて、次順で4sをツモって、25sに変化させるか」などと都合のいいことはできない。その4sを永遠に自模れないまま終わるかもしれないのだ。

こうしてコネコネするのが損だと現代では判りきっている。麻雀の視野を広げる意味で「概念を固定化するな」というなら解るが、統計で収支プラスにしかならない要素を「やめろ」と言われても説得力はいまひとつだ。

 

実証された数字と、個人の感想のどちらを信じるのかと言われたら、比較するまでもない。

 

追記:さっそく損したので、こんなのはもう現代においては雀荘おじさんの戯言ですね。愚形ドラ1はリーチしましょう。