CPU戦で感じた運ゲーの話

麻雀や将棋もアプリが増えてきていますが、アプリ内にはチュートリアルや初心者向けのCPU戦なんかが用意されています。で、将棋と麻雀のCPU戦を比較すると、やっぱり明らかに「麻雀のほうが運ゲーだな」と痛感します。

 

どちらもかなり初歩的なAIになっていると思います。将棋のCPU戦(初心)はやっぱりやっていても負ける感じがしません。相手のほうがミスや損をしてこちらが明らかに有利になる一手が必ず生じます。そこからの逆転はほぼありません。

麻雀のCPU戦はどうかというと・・・。

配牌と自摸が悪かったら相手の手牌をどれだけ予測できていたとしても何もできません。解ってはいたことだけど、やはりそうなります。

 

これ、将棋とかやったことない人でも少しやって初心者CPUと打てば、かなり違いを実感できると思います。ほんの少し基本を覚えただけで明らかに優位を取れるようになります。

麻雀だとその程度だと有利にならないケースのほうが多いんですね。ちょっと勉強したくらいではすぐに運で覆ってしまう。プロと初心者くらいになってようやくアドバンテージが出始めるくらいの差しかつかない。

レベル帯に関わらずそれが麻雀の実態です。

 

そして差がつくほどの実力差に関わらず、圧倒的な運に恵まれてしまえば関係が無くなる。運が悪ければ何もできずに負けてしまう。何ともふざけたゲームだなと実感してしまいます。

 

・初心者に勝たせるのもCPUの役目

始めたばかりの初心者が猛者を相手にボコボコにされても「楽しい!」と感じる人は少ないでしょう。

Netflixのオリジナルドラマに『クイーンズ・ギャンビット』という作品があります。その中で主人公は幼い頃に施設の掃除夫と休憩室でチェスを打つことを覚えます。

その初戦で主人公はワケもわからないまま「お前の負けだ、投了しなさい」と言われて「嫌よ、まだ打ちたい」「駄目だ、もうお前の負けなんだ。投了しなさい」と序盤に言われてむくれて部屋を出て行ってしまいます。

 

私も将棋でこれに近い体験をしました。正直、これはゲームとの出会いとして良くない部類です。指導とかではなく、ちゃんとした説明もなく意味もわからないまま「お前の負けだ」とだけ言われます。

まったくゲームとしての楽しさに触れていません。

CPUはこの点で指導には当たりませんが、しかし「負け役を担ってくれる」という側面があります。わざと負けるというのは実は人間にはかなり難しい役割なのです。

 

囲碁だとヒカルの碁なんかでも「指導碁」といって、上級者のほうが初心者に手ほどきしながら盤面を進めるという打ち方が紹介されています。

本来であれば麻雀や将棋にもそういった打ち方や指導方法はあると思います。

しかし、それができる人も限られるのです。

 

大人気ない人は初心者を相手にフルボッコにして得意になったりします。

指導者としては最悪の部類です。そんなことするやつおらんやろw と思ったあなた。

残念ながらこういった人はどの分野でもいます。スポーツでも格ゲーでもFPSでも卓上ゲームでも何にでもいるんです。知識マウントや自分の自慢話ばかりして、相手のことなんか微塵も考えない人は一定数います。

 

それに引き換え初級・中級・上級で強さを変えて相手をしてくれるCPUはずっとマシな存在です。

確かにそこに甘んじているばかりでは進歩はないとも言えますが(格ゲーでCPU戦と対人戦では違うし、FPSbot撃ちと対人戦は異なる)、いわゆる初狩りになって人口減少みたいなことをしても、コンテンツとしては先細りにしかならないなぁと。

まぁ、麻雀に関してはそこが運で覆るカジュアルさなのは良いのかも。

 

それでも麻雀は初心者CPUを相手にしてもフルボッコされて手も足も出ないまま負けることも普通にあるので、それはそれでどうなんだと思いつつも「でもそれが麻雀だしなぁ・・・」と思わざるを得ないというか。

初心者のみなさん、麻雀は運ゲーなんです。どうか、諦めて下さい・・・。