そんなの来るわけないやろの話

追い詰められたときには見た目で残り一枚の牌でも希望にすがるしかないものですが、そうでないときは確率に従って枚数で選ぶのも正解。

このあたりも押し引きの一種で、自分の手が安いのに聴牌に真っすぐ向かうか、それとも高めになる三色などの手役や、ドラ赤のくっ付きを残したり。

それとも諦めて安全牌を確保しておくか。

 

ただ手なりで打つ以上にこういった打ち回しも必要になってくる上級卓。

渡辺太プロなどは「手がどうにもならないときは最高めだけ逃さないように打つ」とも語る。

例えば配牌がバラバラのときに三色や一通といった材料がパラパラと見えるのなら、そこを目指して打ちつつ、無理ならばオリ、という選択だ。

 

こういったときに大雑把な打ち手だと「もうオリだから最初から安牌確保でいいや」となることもしばしば・・・。それもそれで正解ではある。

中途半端に打って痛い目を見るくらいなら、しっかりとオリきったほうが正解ともいえる。

実際に太プロのような打ち方はオリに自信がある人間がやる打ち回しだ。読み切れずにオリ打ちしてしまうレベルなら、字牌などの安牌確保をしたほうがいいだろう。

 

ただ、この「高めだけは逃さずに打つ」というのは重要だと思っている。

ここの押し引きが難しいのも事実だが、「いや、こんな牌引くか~~」という良形変化は麻雀あるあるだ。

「こんな牌来るわけないだろ」「そんな都合のいいことあるわけないだろう」と自分で勝手に見限ってしまってチャンスを逃す。

 

鳴きにおいても同じことが言える。「ダブドラの赤5を上家が切るわけがない」とネトマで鳴きOFFにしていたら、不意に上家が赤5を切ってきて「だったらチーするわ!」となったり。

「あり得ないなんてことはあり得ない」のが麻雀なのだ。

「もしかしたら」「かもしれない」、車の教習所で習うような心構えが常に必要なのだ。注意力が求められるゲームである。

 

だからこそ愚形リーチなども「こんなのアガれるわけがない」よりも、「来るか来ないかなんて判らねーんだからリーチ!」が正解となりえるのだ。

もちろん序盤に述べたように、読みから「この待ちは無い可能性が高い」と場況読みを入れらるのであれば打たないリーチも十分にあり得る。

こうなってくると読みのレベルが求められてくるのである。それが押し引きに重要になってくる段階が来る。

 

相手の最終手出しで危険牌の優先度が変化したり、微妙な差、ギリギリを抜ける選択が求められるようになる。

ただ、この「ギリギリを攻める」というのも格好良いように思えて、実際のところ「大雑把にベタオリしていたほうが得」というのもある話だ。

そこの差が読みでついてくるので、まぁこのへんは形の無い戦術なので。押し引きと同じくというかセットというか。初中級者には求められないところでもある。